国立新美術館とサントリー美術館 |
今回のピカソ展はパリの国立ピカソ美術館の改装に合わせての世界巡回展。ピカソが最後まで手放さずに持っていた名品ぞろいというふれこみだったのでこれは見逃せない。国立新美術館とサントリー美術館の二つに分けて開催されていました。まずは、国立新美術館から。日展も開催中とあって平日でもとてもにぎやかでした。入場料は1500円。あらかじめ新美術館のホームページから割引券をコピーしておいたので1400円になりました。ピカソ展は何度も日本で開催されるたびに見てきましたが確かに今回が一番の名品ぞろいで楽しめました。青の時代や桃色の時代の哀愁のある作品からキュビズムや新古典主義やシュールレアリズムなどを経ていわゆるピカソ独自の世界にいたる過程がよくわかる展示方法でしたが、一度は画集などでみた作品が沢山あって、一度見て出口付近でまた最初に戻って見てしまいました。歳をとるごとに哀愁や叙情的なものが少なくなって、より物の本質や絵画そのものにせまっているようで、途中からこれはだれか人間が描いた絵というよりは、昔から存在するモノのようにさえ感じました。いつまでも見ていたい気分でしたが次の会場が待っていますので、ミッドタウンの3階4階にあるサントリー美術館へ。ふだんは日本美術の名品展が多いサントリー美術館は木をふんだんに使って落ちついて見やすい会場でした。人も新美術館よりは少なくて、主にピカソの自画像を中心に展開していました。こちらは1300円。新美術館でのチケットの半券を見せると200円割引になって1100円でした。こちらも青の時代の有名な自画像や新古典主義の時代の「牧神パンの笛」などの名品がたくさんあって少し点数は少なかったけど楽しめました。ピカソは80歳を超えても制作のパワーは衰えることもなく、より精力的により自由に奔放になっていきます。なぜかピカソの絵を見ていると自然と元気が出てくるから不思議です。展覧会は12月14日まで開催しています。できれば、1カ所にまとめてもう少し値段を安くしてくれると有り難かったですね。

国立新美術館は黒川紀章の設計。
国立新美術館
サントリー美術館は隈研吾の設計です。
サントリー美術館