今日は東松山市の原爆の図丸木美術館に金原寿浩さんの展覧会「海の声」を見に行ってきました。
金原さんは桐生市に住む画家。東日本大震災以降、津波や原発事故の被害、沖縄の基地問題などを主題に制作を続けています。彼の作品は繊細な墨の点描で描かれた作品から、茶色いクラフト紙にチャコールペンシルや木炭で描かれた巨大なドローイングまで、どれも卓越した描写力で描かれています。
金原さんの大きな作品は僕にはどこか夢の中の情景のように感じます。クラフト紙の上にチャコールペンシルで描かれた黒は深い闇のようで、多分夢の中の映像を描いたとすればこんな色なのではないかと思います。そしてどの作品も静かで落ち着いた雰囲気を漂わせてはいるのですが、描かれたものをよく見ると、中に隠された不安や恐怖がじんわり滲み出てきます。
特にこれだけ巨大な作品を展示できる会場も少ないと思われますが、丸木美術館は彼の作品にうってつけの会場です。この展覧会は近年の作品をまとめて見ることができる貴重な機会ですので、こんな時期ではありますがドライブがてら行ってきました。まあ、美術館は辺鄙な場所にあり、とても広いので密になる心配もありません。家から空いていれば1時間少しくらいの同じ埼玉県。途中コンビニに立ち寄っただけ。
金原寿浩「海の声」は7月11日(日)まで開催していますので、是非見てほしい展覧会です。
勿論丸木位里、俊の原爆の図の常設展も見ることができます。
また金原さんはジャスミンという別の名前でも作家活動をしていて、時々ウイッグを被り美しく化粧をして女装しています。
最近は人前に出るときはジャスミンの時が多いようです。会場で派手なスタイルの女性のようなおじさんを見かけたら作家本人ですので色々質問してみてください。