2021年 03月 02日
見る訓練。 |
荒れた天気の1日でした。
午前中は暖かく、だんだんと風が強くなり、午後から雨が降り出しました。夜は寒くなるそうです。
3月の教室が始まりました。
午前中はレギュラーの教室で、午後は人物画の代わりに自由制作の会。
この会もなんとなく定着してきて、毎回参加してくれる方も増えてきました。
水彩を描いたり、ペンや色鉛筆で描いたり、皆さん自分の好きな技法で参加してくれています。
今日の午前中のデッサンのモチーフは白いホーローのポットと紙筒を組み合わせたシンプルなもの。
考えてみれば、このどこにでもあるものを2つ並べて何時間も見ているという行為は絵を描く時くらいしか無いかもしれません。
僕たちは大抵ものを何秒間か見てそれをなんとなく頭で理解してしまいます。
ホーローの白いポットね。水差しだね。取手がついていて。そんな感じです。
多分普通の人は1分も見ていないと思います。デッサンをする時はこれを何時間も見ることになるのですが、絵を描こうとして見ているとそんなに苦痛でもありません。最初は見えなかったものも1時間2時間と見ていると見えてくるものがあります。微妙な形の丸みや明暗の階調。背景やテーブルとの関係。ホーローや紙の質感。取手の裏と表の違い。ホーローの水差しに映る窓の光。物に映る微妙な光の反射。物の厚み。テーブルに出る陰影。などなど。描こうとして長く見ているとだんだんと見えないものが見えて来ます。見る訓練を重ねるともっと早く見えるようになってきます。デッサンは描く練習でもあるのですが、見ることの訓練でもあるのです。
じっと見つめていて見えてくるものが大切なのだと思います。
by mitsuo_ishimoto
| 2021-03-02 21:50
| アトリエ蒼通信
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