2020年 09月 08日
絵肌について考える。 |
台風10号が過ぎてもまだ夏の蒸し暑さです。
今日は新所沢のアトリエ蒼火曜日の教室。
絵は平面で2次元のものだと思いがちですが、近くに寄って見てみると予想以上に凸凹していたり、薄塗りの絵はキャンバスの目が見えて目の間にいろんな色が詰まっていたりして意外と立体的なのです。美術用語では絵肌とかマチエールとか呼びますが、それぞれの絵には独特の肌合いがあります。
ざらざらしていたりツルツルしていたりガサガサしていたり。
自分がどんな肌合いの絵を描きたいのかを意識して描いていくと特徴が出て来ます。
柔らかい筆にオイルを多めにして描くとツルツルした艶やかな画面になるし、硬い筆でオイルを付けないで厚塗りしていくとガサガサした感じが出ます。ナイフを使うと壁のような厚みが出せるし、絵具に砂や貝の粉などを混ぜてナイフで塗るとこれまた面白い肌合いになって来ます。描くだけではなくナイフやスクレッパーで削ったり、ナイフの先で取ったり、布で擦りとったりするとまた違った肌合いができます。
基底材のキャンバスも目が細かいのと荒いのでは絵肌も変わって来ます。キャンバスに下塗りをしないで膠だけを塗って描いたり、板に直接描いたり、板にジェッソや石膏を塗り削るとツルツルの下地ができてこれもまた繊細な絵肌になります。
絵の内容に合った絵肌を研究するのも大切です。ぜひ、試して見てください。
今日は午後の教室で描いている方の制作途中をアップで撮影させてもらいました。
こちらはかなり凸凹タイプ。描いたり削ったりしています。色も複雑に絡み合っています。
by mitsuo_ishimoto
| 2020-09-08 21:41
| アトリエ蒼通信
|
Comments(0)