2020年 08月 28日
肌色について考える。 |
晴れて蒸し暑い一日でした。今日は保育園の造形の講師に行き、帰ったきたら安倍総理の辞任の速報が流れました。金曜日に会見をするというのできっと辞任するだろと思っていたら、案の定。長い7年と8ヶ月でした。安倍総理の実績や不祥事などは多くの人が書いてくれると思うの書きませんが、新しい総理には少し期待したいと思います。誰がなるのやら。
アメリカでは先日ウィスコンシン州で黒人男性が警察官に背後から撃たれたことで、バスケットや野球、テニスなど多くのスポーツイベントが抗議のため中止になっています。
日本ではあまり人種差別事件が無いと思われがちですが外国人も多く住むようになっているので、中では様々な人種差別があるように思われます。
僕は子供に絵を教える機会があるので、以前からずっと疑問に思っていたことがあります。
それは「肌色」という絵具の色。
子供用のクレヨンや水彩絵の具には必ず「はだいろ」という色が入っています。しかし今は黒人や白人やアジア系の子供もハーフの子供も多くいます。その子たちの肌の色はそれぞれで、決していわゆる「はだいろ」ではありません。以前子供に絵具で自画像を描かせるときに肌色の絵具を使わないで自分で自分の肌の色を作るようにしました。
黄色と赤と白を混ぜたり、少し茶色を混ぜたり、白を増やしたり、自分の肌の色を見て色を作っている子供を見ると、それを簡単に肌は「はだいろ」を塗りましょうというのはあまりにも強制的です。
いつからか子供には顔には肌色を塗り、目は黒で描き、髪の毛は黒で、と教え込まれているようで子供はほぼ100%それで描いてしまいます。
しかし自分で作りましょうというとそれぞれ好きな色を作り、少し濁ったり、黄色かったり、茶色だったりするけれどもとても個性的な肌になり、当然、絵も面白くなります。もっと極端に言えば顔に緑や青を使っても全く構わないし、髪の毛の色だってピンクでも黄色でも良いのです。絵なのですから。
大人が随分昔に決めた肌色という絵具に縛られないでほしい、できれば絵具箱から無くしたいくらいです。
その影響か大人が使う日本製の透明水彩絵具のセットにも必ず肌色が入っています。
肌色とは言わずに「ジョンブリアン」と呼ばれる色です。ジョンブリアンとはフランス語で「輝くような黄色」という意味だそうですが、つまりは黄色人種である日本人の肌の色として使えるので入っているのでしょう。でもこの色を作るのは赤と黄色と白を混ぜると簡単にできるので、この色を入れる必要はあまり無いといつも思っています。白が入るので透明感がなくなり、実際は赤と黄色を混ぜて水で薄めて使えば透明感のある日本人の肌の色が出せるのです。
世の中にはにはいろんな肌の色の人がいて、目の色や髪の毛の色もみんな違うことをもっと子供の頃から教えていくべきだと思っています。その方がお互いの違いを認められるのでは思うのですが。人種差別を無くそうと教えるのなら、まず子供の絵具から肌色を無くすことから始めるべきだと思っています。
写真の作品は僕の1998年の油絵「標本」というタイトルです。
文章の内容とは全く関係がありません。
by mitsuo_ishimoto
| 2020-08-28 22:17
| いろいろ
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