アトリエ蒼通信187 2011年3月1日(木) |
エスキース[esquisse(仏)]とはスケッチのことのようですが一般的に下絵のことを意味するようです。エスキースを描くというのは例えばどこかに写生(スケッチ)に行くことではなくて、描きたいと思う絵を構想するための下絵としてスケッチ、デッサン、水彩などを描くことをそう呼んでいます。これは絵にかぎらず立体作品や建築、環境デザインなどにも使われているようです。
絵の描き方は人それぞれ違って、静物を目の前に置いてそのままキャンバスに描きそれが作品になる人もいれば、野外にキャンバスを持ち出して写生しながら作品を描く人もいます。一方、いろいろなスケッチや写生をたくさんしてからそれらを組み合わせてアトリエで作品を描く人や、実際に写生したものと想像したものを組み合わせて作品にする人、また想像や記憶だけで構成して絵を描く人もいます。
エスキースはどちらかというと後者の組み合わせたり想像したりして描く人には必ず必要になってくるものではないでしょうか。
つまりいきなり頭の中で組み合わせて大きなキャンバスに描くことはできないので、それぞれをどう構成するかを デッサンして考え、下絵を作ります。そうしたデッサンや、下絵のことをエスキースと呼んでいるように思います。
絵を描き始めて最初は写生などを楽しんでいた人も、だんだんと大きな作品や、自分の表現としての作品、または大きな展覧会に出品するための作品などを描く機会ができてくるかもしれません。そんなときにはエスキースを何度も重ねながら構想を練っていくとよいと思います。
今日は新所沢のアトリエ蒼、火曜日の教室。
気がつけば、もう今日から3月ですね。2月はあっという間でした。
今日のモチーフは椿など。
椿は毎年描くモチーフですが、あの葉の艶や花の鮮やかで日本的な赤をどう表現するかが見せ所でしょうか。
