土曜絵画通信45 2011年2月5日(土) |
今日はJ−2瑞穂店の土曜絵画教室。
午前中は油絵教室。
油絵の道具でいまいち良くわからないのが、オイル類です。
教室の皆さんはほとんどペインティングオイルというのを使っていますが、売り場に行くといろんな名前のいろんなオイルがいっぱい売っていて、これらはどう使いわけて良いのかさっぱりわかりません。
実は僕もいろんなオイルを使い分けてるわけではありませんので、とても詳しくは説明できないのですが、基本的なことだけ少し紹介します。
油絵の溶き油には大きく分けて2種類あります。
一つは
揮発性油。
早く揮発して絵の具を乾かせる油です。絵の具ののびが良くなりますが、あまり多く
使うと艶が無くなり、耐久性も弱くなります。揮発性油には下の二つが使われます。
1、テレピンという松の樹脂から作る植物性油です。
油壷のふたをしないで置いておくと松やにのように固まってきます。
2、ペトロールという石油を蒸溜した鉱物性油。
どちらも単独で使う場合は下描きなどに使います。
もうひとつは少しどろりとした乾性油です。
乾性油は油絵の顔料を混ぜるときにも使います。絵の具にまぜて艶と耐久性を与えます。
これも代表的なのが下の二つ。
1、リンシードオイル 亜麻の種からつくります。
少し色がついていて乾きが早くよく使われます。これも単独で使いすぎると艶が出過ぎます。
2、ポピーオイル ケシの種からつくります。
リンシードより透明で画面を黄変させないオイルですが、乾きが遅いです。
油絵の具はふつうこのポピーオイルで練っています。
油の具はこの揮発性油と乾性油を適量にまぜながら描くのですが、描き始めはテレピンかペトロールの揮発性油だけをつかい、仕上げにしたがってリンシードなどの乾性油を多くして使うのが一般的です。皆さんがよく使うペインティングオイルはこれらをうまくブレンドして乾きを促進させる樹脂類などを少し加えて描きやすく調節してあるものです。
その他に便利なオイルは
ルツーセ。
加筆用ワニスです。途中の絵が乾いて艶が抜けたときに次に描く色に調子を合わせるために画面全体に刷毛などで薄くぬります。絵の具に混ぜて使う訳ではないので注意してください。
その他にも溶き油に混ぜて艶をだしたりする、パンドルという描画用ワニスや、絵の具に混ぜて乾燥を早めるシッカチーフや完成したあとに画面保護のためにぬるタブロー・ワニスなどがあります。
大作などを描くようになってペインティングオイルから、少し使い分けたいと思うようになったら、テレピンかペトロールのどちらかとリンシードオイルなどを買って自分で混ぜて使ってみてください。
今日の作品です。

落ち着いた画面で、物の質感の違いもうまく描けています。

上のモチーフを反対側から描いたもの。明るく彩度の高い色を使って個性的に表現した作品です。今回が油絵2作目です。

午後の水彩作品です。半分に切った紫キャベツの表情が面白いです。
縮小されたことで、予期せぬ効果もあるのでしょう。