アトリエ蒼通信129 2010年4月22日(木) |
今日はアトリエ蒼木曜日の教室です。
絵を描くというのはまず時間がかかります。カメラだと一瞬で終わることを何時間もかけてやる訳ですから。だから周りからみれば絵を描いている人はとても優雅に見えるようです。でも描いている本人にしてみればかなり大変な作業をしているのです。優雅どころではありません。けっこう必死なのです。まず、よく見なければ描けません。普段はコップ1個を10分も20分も見ることはありません。適当にみて「コップですね」と判断するのです。でもこのコップを全く知らない人にこのコップは「こんなコップなんです」と伝えるのが絵の役割でもあるのですから、じっくり観察してこのコップを自分なりに理解して、描くわけです。ただコップだけではうまく伝わらないと思えば、コップが置かれている状況だとかコップの中身とかそのときの光や陰とかいろんなものが関わってきます。つまり、それらコップに関わる関係をも描かなければいけないのです。それらの関係だけではありません。自分がそのコップとそれらの関係するものをどう見ているのかというのも必要です。つまり「もの」と自分との関係です。これがまた難しい。考えても考えきれるものではありませんが、それを絵という形で表すことで、それら「もの」との関係を表すことができるのです。
まあ、絵を描きながら僕らは意外と大変な作業をしているわけなのですが、実際、本人はそんなに深刻に考えずになんとなく描いていたりするのですけどね。
こんな大変な作業をやっているのだから、そんなに簡単にすごい絵が描けるわけではないので、あせらず、コツコツやっていくと少しづつ上達していくのではないでしょうか。
なんだか難しい話になりましたが、今日の作品です。

細部からじっくり描いて完成。タッチの丁寧さがおもしろい効果をだしています。

今月から絵を始めた方の作品です。布の表情や、皿の質感もでていてすばらしいですね。