アトリエ蒼通信51 2009年2月26日(木) |
今日は新所沢のアトリエ蒼、木曜日の教室でした。
ここ数回続いている「熱帯フェアー」もこう雨や曇りが続いて寒いと気持ちが乗りませんが、そこはなんとか想像力でカバーしてください。
午前の教室は水彩の作品が数点完成しました。

前回から続けて今日で完成。画面の構成も面白いし花や葉やガラスの表現もすばらしいです。
少しタッチが似てきて硬くなりそうな時は水でぼかしながら柔らかさを出すとよいですね。

今日一日で仕上げた作品です。毎回2時間半を集中して描いて確実に仕上げているのはすばらしいですね。少しづつ難しいモチーフになっていますがいろいろなことを自然に吸収して着実に進歩しています。

秋にスケッチに行った東大農場の風景です。
写真をもとに何気ない風景の光と影を表現しています。
多くの方が油絵を初めて1〜2年経つと思うように描けない自分に気がついてもどかしくなります。
うまくいかないとキャンバスに向かう気力も無くなってきます。絵を始めた頃は何もかもが新鮮でわからないことばかり、だから素直に見たまま描けばそれなりに良い絵が描けるのです。技術も未熟だし、道具もシンプルです。普通に描いたら普通に上手く描けるのです。これがサークルや教室に通って先生や先輩にアドバイスを受けて、展覧会で巨匠の作品を見て、いろいろな美術用語やテクニックを覚え、新しい色の絵具や、大小様々な筆をそろえて本格的になってきたところで、どうも上手く描けなくなる方が多いのです。実際僕もそうでした。
僕が芸大浪人をしていたころ同じような状態の友人が先生に『最近スランプなんです』といったところ、
先生はすかさず、「スランプはプロの人が使う言葉だ。君の場合はまだ下手なだけだよ。」と言われました。
実際そのとおりです。それは絵を初めて最初の壁なのです。この壁を乗り越えられずに止める人も沢山います。そして絵を描き続けるかぎりこの壁は次々に出てきます。その度に、苦しんだり、落ち込んだり、がんばったりするのです。その壁は最初の1年目にでてくる人もいれば10年くらい出てこない方もいるでしょう。
でも、スポーツでも音楽でも学問でも商売でも必ず同じような体験をするのではないでしょうか?
上手くいかないときはいろいろ考えなんとか工夫します。道具や絵具を変えてみるのも良いかもしれません。細い筆を使う人は太い筆を多く使ってみたり、花ばかり描いていた人は風景を描いてみたり、絵具箱にどんどん増えてきた中間色の絵具に頼らず最初のころの基本色で描いてみたり、いつも一番よく使う色を使わないようにしたり、アイデアはたくさんあります。プロの野球選手でも打てない時があるのです。そのたびにフォームを少し変えたり、バットを変えたりします。それとおなじです。そして、イチローや松井だって打てない時があるのだから、初めて1〜2年で上手く行かないのは当たり前だと思うと気が楽でしょう?
そして上手くなるのに一番大切なことは描き続けることです。
続けること、続けられることが才能なのだと思います。

最近スランプなもんで(笑)←いやホントに
ずっと描き続けられる作家って、すごいなと思います。