アトリエ蒼通信346 2013年8月6日(火) |
そろそろ、からっとした夏の空が見たくなります。
最近水彩を描いている方で、「どうも絵の具ののり方がおかしいのですが?」という質問を受けることが数回ありました。見てみると、平に塗ったところが部分的にムラになっています。これは水彩紙が湿気を吸ってしまったためにおこる現象です。よく「紙が風邪を引いた」と表現されます。
水彩紙の原料はコットンなどの繊維です。丈夫で水や絵の具を吸い込みやすくなっていますが、そのままだと絵の具が滲んでしまうので、サイジングという処理をします。和紙ではドーサ引きをするのと同じです。動物のゼラチンなどを紙の表面に含ませます。これによって、紙は程よく水をはじき、彩色をコントロールできます。紙が湿気を吸うことによって、部分的にサイジング効果がなくなり、ムラになってしまいます。残念ながらこれはアイロンをかけたりしても元にもどりません。1枚そうなっていれば、下の紙もダメになっていることも多いです。それは絵の具を塗るまではわかりません。もったいないですがその紙(スケッチブック)は新作を描くときには使わない方がよいかもしれません。デッサンや練習用に使ったりするほうが良いかもしれません。
水彩紙はなるべく乾燥した場所にビニール袋にいれたまま保存しておくほうが良いでしょう。
今日は新所沢のアトリエ蒼、火曜日の教室。今日のモチーフはひまわり、ケイトウ、蓮の実、ワレモコウ、などの花と夏の野菜などです。
今日の作品です。
ダリアを描いた水彩です。この紙(ウォーターフォード)も風邪をひいてしまったようです。
良い作品なのに少し残念です。
旅行で行ったイギリス、コッツウェルの風景を油絵で描いたもの。旅の思い出を絵に残すのも楽しいです。